先月と今月に日本の企業から依頼されたインド国内での視察ツアーがあったので、そのお話です。
どちらもムンバイだけじゃなくて、複数の都市を移動しながら数日間に渡って視察を行うツアー。一件は予算がわりとあって、もう一件は予算があまりない案件。この違いは大きなサービスレベルの差を生み出した。そして運営した側として学んだのは、「自分の手が直接届かないリソースを使ってサービス提供はしない方がいい」と言う事。
今回の二件の具体的な違いは「ドライバー付きの車+ガイド」か「ドライバー付きの車のみ」の手配か。言わずもがな、前者のケースのが圧倒的に良かった。
やっぱりなんだかんだ、インドに慣れていない日本人にはインドでの移動はハードルが高いんですね。ともかく日常的に不測の事態が生じるので、それを切り抜ける強引さがないと駒を進めるのが難しいし、当然お客さんにもストレスもかかる。そういう状況で、代わりにその問題を引き受けてお客さんを助けられる存在=自分でコントロールが利く人間がお客さんといっしょにいるのと、いないのとでは全然違うと実感しました。
そしてそのガイドも赤の他人ではダメで、運営側が直接よく知っている信用できる人間じゃないと意味が無い。インドでは、いくらレンタカー会社や旅行会社を名乗っていても、それが日本の会社と同じレベルと思ったら大間違いで、彼らが責任を持って最後まで問題解決に当たってくれる保証なんてぜんぜん無い。
自分の体験としてもあるのだけれど、ムンバイからプネへ行く長距離バスに乗ったとき、運転手が詐欺師で、高速道路の真ん中でいきなりバスを捨てて逃げてしまったなんてことがあった。嘘みたいだけど、本当にこういうことがおきるんです、インドでは。そして自分の準備が綿密であったかどうかなんて、ほとんど関係がない。まさに不可抗力の事故。
実際、インド人はビジネスをするとき、よく自分の親戚を社員として巻き込む。それは「他人は信用できない」という悲しいけれど、とても現実的な理由の上に成り立っているわけで。。
これからインドへ出張に行く日本の会社員の方は多くなると思うけど、「インドは物価が安いから出張予算も低くて大丈夫だろう」ではなくて、多少高くてもしっかり現地でのサポート体制の整っている会社なり、人間なりを使って行く事を強くおすすめします。