インドから日本を見ていて思う事。

先日の集団的自衛権の閣議決定に関して、インドからニュースを追っている。日本のテレビ放送は見ていないので、主にはソーシャルメディアやオンラインニュースを通じて情報を得ているのだが、外から見ていると日本が思ったよりも速いスピードで変化しているのをはっきりと感じられて、非常にびっくりしている。

1年程前、憲法9条の変更が見当されているというニュースをどこかで見て、インドに駐在で来られているご家族の主婦の方が、「自分の息子が将来戦争に行くか行かないかの決断を迫られる時代になるとは思わなかった。本当にそんなことになるのであれば、任期が明けたとしても日本には帰りたくない」というようなことをブログに書いていた。あの頃は日本の外に居るからこそ、そういうニュースがより際立って見えてしまっているんだろうな、実際にはそんなに早く変化は起こらないだろう、なんて思っていたのだが、そのまさかになりつつある。まわりにいる日本人も結構ショックを受けている。

インド人の反応はどうなのか。日本へ出張に行って以来、大の日本ファンになったインド人上司に「今日は日本でこんな大きなニュースがあったんだよ」と集団的自衛権のニュースの英語リンクを教えてあげた。「日本が日本を守るために個人自衛権を持つのはわかるけれど、他国の争いに巻き込まれる事に、一体何のニーズがあるの?リスクが高いんじゃないだろうか」という回答だった。また、インド人の同い年の同僚に聞いてみたところ「私もそのニュースみたよ!」といって、これまでと何が変わるのかを話してみたところ、とても心配そうな顔をして話を聞いていた。インド政府は今回の件についての具体的なコメントはしていないようだし、インド全体でどれくらいの関心度があって、どんな感想を持たれているのかはわからないけれど、本当にこのまま日本が中国との領土問題について悪い方向へ傾いて行くのだとすれば、親日を掲げているインドも、何かしらのリアクションを見せるのではないかと思う。

70年前と違うのは、今のわたしたちは個人レベルでの選択肢や情報へのアクセスをより多く持っていると言う事だ。国は70年前と大して変わらない理由で啀み合いをしているが、個人は70年前よりも広く、強く国境を越えて繋がっている。国の啀み合いに巻き込まれるよりも前に日本を出て、自分のスタイルを貫いて生きて行く事が可能なはずだ。学生時代の友人も言っていたが、昔はお金持ちでないと国外に出るという選択は難しかったが、今は安い航空券もあるし、若者は海外に出て行っているし、生まれた国に固執しなければいけないような時代ではなくなった。インドにはとても多くの在外インド人(NRI:Non resident Indians)がいるが、日本にも彼らのように外から母国に良い刺激を与えられるような人が増えたら、何か新しい流れが生まれるのではないだろうかとぼんやり思ったりもする。

暗雲が立ちこめる時代になったが、より自由な選択肢の下で、個人が個人の意思に従ってアクションを起こせる時代になったとも言える。「Everything is possible」だ。日本の動きを客観的に見ながらも、しばらくはここで生きて行く術を身につける事に集中したい。

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