東京でムンバイのIT企業のコンサルをする その2

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ムンバイのIT企業のビジネス・コンサルタントとして、大手日系IT企業へ製品の売り込みを始めてから4ヶ月。インドからエンジニアを呼んでプロジェクトを開始する寸前まで行ったが、結局、先方の内部的な事情で案件は正式な契約に至らぬままクローズとなった。

その他に手がけている日印関係の案件と違って、唯一「インドから日本」の流れでサポートをしていたのがこの一件で、「日本からインド」の流れで仕事をするよりも、双方のビジネスのやり方の違いが露骨に表れた。

背景を述べると、この案件では、日系IT企業とパートナーシップを結んで、ムンバイの企業で開発された医療系アプリを販売するルートを確保することが最終的な目的だった。取引先の日系IT企業へは、ある企業の紹介を受けて訪問に至ったが、お互いは今まで全く面識の無いもの同士で、私がコンサルタントとしてアサインされる前に、ムンバイからやって来たインド人の営業担当が、企業概要から説明をして話を進めていた。

こういった状況でのビジネスの進め方に、日印では大きな違いがある。日本企業は誰かからの紹介であってもまず相手が何者であるか、信用に値するかを理解し、お互いにきちんとした利益が見込めるかどうかを確認するところから始める。しかしインド企業は誰かの紹介である時点で、その企業のことをある程度信用し、お互いに何かしらの可能性が見えれば、まずは「やってみる」ところから始める。インド人社員によると、インドでは、3回打ち合わせをすれば「Yes」か「No」かの結論が出ると言う。

日本側からしてみれば、インドから突然やってきて「いっしょにお金儲けをしましょう」、と言われても簡単にうなずくわけにはいかない。「どれくらいの初期投資が必要なのか」「どれくらいの利益をいつまでに見込んでいるのか」「撤退する基準となる数字はどれくらいなのか」。契約書にたどりつくまでに、明確にしておかなければならないことがたくさんある。

しかしインドは違う。例えば、撤退基準は「1ヶ月前に撤退する旨を相手側に伝えること」だという。つまり、インドは意思決定を行うのが経営者自身であり、撤退を決定するのもその本人が行うのであるから、前もって数字を共有しておく必要性が無いのだという。新規の事業にお金をつぎ込むのが経営者本人であるのだから、その本人が状況を見極めて決めれば良いという考え方は、インドでは珍しくないワンマン経営の企業によく見られるやり方らしい。当然ながら、日本企業はある日突然「うまく行かなかったからもうやめましょう」と言われても困ってしまうので、それを防ぐために契約書を作るわけだが、インド人の営業担当に言わせると「インドでは契約書に書かれた内容を守るかどうかという根本的な問題もある」という。

今回の案件では日印ビジネスにおける常識のギャップを見せつけられると同時に、日系企業では働いた経験のない私自身、大手の日系企業がどのように話を進めて行くのかを知る事ができて、とても勉強になった。(インド企業のやり方にある程度慣れていた分、逆に日本のやり方に、カルチャーショックとも言える衝撃を感じることもあった。)やり方や強みは全く異なるけれど、日本もインドも、世界に提供できる製品やサービスを持つ国。この二国がタッグを組んで成功をおさめるような案件を、いつか実現させたいと思う。

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