6月11日に『ジュラシック・ワールド』がムンバイで公開された。ムンバイ経済新聞にも掲載したけれど、今回の作品はムンバイの人々にとっては特別。なぜかと言うと、人気ボリウッド俳優のイルファーン・カーン氏が出演しているから。
去年8月に日本でも公開された『めぐり逢わせのお弁当』で彼のことを初めて知った人も少なくないと思う。イルファーンは演技派俳優として知られていて、2012年にインドで公開された『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』でも高い演技力が評価されている。先日も、ボリウッド映画『PIKU』に出演したばかり。総じて、踊ったり歌ったりするボリウッド映画よりも、ストーリーが重視される作品を活躍の場としている俳優だ。
『ジュラシック・ワールド』で彼がスクリーンに登場した瞬間、館内で「ピーピー!」と口笛が鳴り響き、歓声があがった。それくらい、ムンバイの人たちの間では人気がある。ヘリコプターを荒々しく操縦したりなんかして、役柄も心無しかインド人が喜ぶような設定になっていたように思う。でもやっぱり大御所のハリウッド。ボリウッド演技派俳優のイルファーンでも、出演していた時間は決して長くなかった。
映画が公開される前、彼はインドのメディアで「ボリウッドはハリウッドを見習って子どもも楽しめる映画をもっと作るべきだ」とコメントしている。ボリウッド映画は恋愛モノが中心だから、子どもが楽しめる映画はたしかにあまり多くない。インド人が家族で映画館に観に来る映画は、ハリウッドの映画が中心だ。こういうコメントは、ボリウッド以外でも活躍する俳優さんならではの視点かもしれない。
作品は文句無しにシリーズ最高傑作だった。インドの映画館は日本の映画館と違って、キャーキャー騒ぎながら観られるのがいい。とりあえずはやく観たかったから公開初日、3Dスクリーンのレギュラーシート430ルピーで観て来たけれど、900ルピーで4Dの公開もしているそうなので、もう一度観てみたいと思う。