「10時から8時まで働くなんて嫌だもの!」

ちょっと知りたい情報があって、久々にインド人の友人とアンデリにあるWoodsideのブランチへ行った。1500ルピーでお酒を含めた飲み放題と食べ放題なので、このレストランは日曜日のブランチの時間はいつも満席だ。

この友人の両親はお隣のグジャラート州出身で、本人はボンベイ生まれのボンベイ育ち。2011年にイギリスのMBA留学から戻って来てから、7年の交際を経て先日結婚した奥さんと2年前にウェブデザインの会社を立ち上げている。ムンバイ北部のボリバリに25,000ルピーの2BHKのアパートを借りて夫婦だけで住んでいる。車はフォルクスワーゲン・ポロ。ムンバイの典型的なミドルアッパークラスの人間だ。

White Zenというビールを2杯と、ブッフェの二皿目をお互いに平らげたあたりで、本題の話が終わったので、好奇心から彼がこれまでサラリーマンになるオプションを考えたことがあるかどうか聞いてみた。

「考えた事も無いね。10時から8時まで土曜日も休みなく働いて1ラック(20万円くらい)なんてちゃちな給料貰う生活なんて嫌だったもの」
「日本も同じようなものだよ」
「日本は生活のクオリティが違う。ムンバイでの生活がどれだけ日本に比べて質が低いかわかってるだろ?銀行のATMのコードを再発行してもらうのに1ヶ月かける銀行が日本にあるか?」

彼は基本的にムンバイが大嫌いだ。夫婦揃っていつかヨーロッパに移住したいと言っている。ムンバイに住んでいる間は子供も持ちたくないらしく、理由を尋ねるとムンバイでは良い教育も生活も与えてあげることができないからだと言っていた。「ムンバイの大学なんか行ったって学ぶことなんて何もない」と。

アメリカやイギリスに子供をやる親はムンバイにもたくさんいる。けれど、多くのムンバイ出身の人たちは、海外で大学を卒業すると好んでムンバイに戻って来るという。対して、田舎出身のインド人たちは、地元に戻っても仕事がないため、そのまま海外で仕事を見つける傾向があるのだそうだ。

「ムンバイのミドルアッパークラスはサラリーマンにならなくても親がすでにビジネスを持っている場合が多いから、彼らの大半はそれを継ぐわけだよ。あとは、なんだかんだいってムンバイが恋しくなるみたいだね。せっかく海外にでても結局は狭いコミュニティに逆戻り。何がいいのか俺にはぜんぜんわからない。俺はできるならムンバイには帰ってきたくなかった」と、彼はシニカルなコメントを続けた。

2時間ほど雑談をしてからレストランを出ると、午後4時の熱風が肌に触れた。本当に年々、ムンバイの夏は暑くなって行っている気がする。たしかに、この気候の中、毎日電車に乗って出勤するなんて嫌だなぁ、と思った。日本のサラリーマンは冷房の効いた電車に乗れるだけ、まだ幸せかもしれない。

3件のコメント

  1. う~ん。どうだろう。
    ムンバイで暮らしたことがないのでなんとも言えないけれど、そのお友達はイギリスでMBA留学していたんですよね。その間学費の高いイギリスで(ビジネススクールにしても大学にしても)交流していたのはイギリス人であろうと留学生であろうとある程度お金に余裕のある社会階層の人達でしょう。

    インドと比較はできないけれどイギリスもかなりの格差社会だから、子供をいい学校に入れて、いい生活をさせようとするときはだんぜん親の資力と能力がものをいいます。万人にチャンスが平等にあるわけではないのは同じ。

    もうひとつ、インドはカーストに関係なさそうな分野でも職業かなり分業化していますよね。
    ビザ申請、経理、ウェブデザインと、なにかする時に自分でするより比較的下請けに出しやすい、自分の専門分野でないことはよそに任せる。その分個人経営者にチャンスは多い。

    こちらはサービスは高くつくので自分でできる限りやってしまう人がもっと多いので、その分チャンスは少ないとも言える。

    たぶん現状一番おいしいのは、諸経費が安いインドで、物価水準の高い外国人を対象になんらかのサービスを提供することじゃないでしょうか。
    そのお友達はイギリスでも顧客開拓しているのですか?

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  2. ムンバイのイギリス人顧客はいるみたいですけど、海外からの顧客まではまだ届いていないようです。
    私も同じ事思いました。イギリスのお客さんを対象にすればいいじゃないっていったら、「そんなに簡単じゃないよ」って言ってました。

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  3. ウェブデザインならたぶん実際に会合してああじゃない、こうじゃない、って相談するのが必要なのかな?
    以前パリに住んでた知人がイラストレーターで、どういう仕組みになっているのか知らないけれど、作品は完成したら現地・遠方の依頼主にコンピューターで送って納品してたので、今まで一年~三年ぐらいのサイクルでパリ、ロンドン、シンガポール、ソウル、北京、東京、バルセロナとあちこち住んでみて、今はニューヨークに帰っています。
    そういう才能があって、食べていけて、あちこちに住みながら仕事できるって羨ましいな~と思っていました。

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