ムンバイの電車にムンバイカルの優しさをみる。

「インドの電車」というと多くの日本人はインド人が溢れ出ているぎゅうぎゅう詰めの電車をイメージすると思う。ネット上にもインドの電車についてたくさん写真や動画があがっていて、屋根の上にまでびっしり人が乗っている写真もある。どれもおそらく真実だ。でもムンバイの電車は少なくとも屋根に人が乗っているようなことは(最近は)ない。この動画は限りなくリアリティに近いものを映している。さてみなさんはこの動画を観てどう思うだろうか。「思っていたより普通」と思うか、それとも「やっぱりハードル高い!無理!」と思うだろうか。

私はムンバイの電車は思っていたよりも便利で安全だと思っている。そして何より電車から見える風景が好きだ。特に夜はスラム街にある家が灯すオレンジ色の光がとてもきれいなので、観光地の南部に出かけた時は大体夕刻以降の電車を利用して北部にある家に帰る。こんなことを言ってもあまり同意してくれる人はいないわけだが、電力の切り替えエリアで数分間車内の電気が落ちる時、その数分間の闇の中でみるムンバイの光は別世界に来たような気分が味わえるので気に入っている。

ミドルアッパークラスの人々(サリーではなく洋服を着ているような人たち)は電車ではなく車を主な移動手段にするため、女性車両の中でみる女性たちはほとんどサリーをきているヒンディ語しか話せないおばちゃんか学生である。セカンドクラスの車両では3人がけの椅子に4人とか5人とかギュウギュウになって座るわけだが、別にそんなにストレスにはならない。たまにおばちゃんたちがケンカするけど、まわりの人たちはそんなに気にしないし「ああ、またやってるね」と言って笑っていたりする。以前、親子で電車に乗ろうとして、子供だけが乗車してお母さんが乗れず、そのまま電車が発進してしまったことがあったが、まわりのおばちゃんたちが泣きじゃくる子供をあやしながら、次の駅でお母さんを待とうねと言っていっしょに次の駅で降りたのを目撃した事がある。知らないもの同士でも相手を気にかけるようなシーンがあって、そういう場面に出くわすと、ムンバイの人は優しいなあと思う。

男性車両でも似たような経験がある。以前、電車が発進する前にホームで女性車両まで走って行く時間がなくて満員の男性車両に飛び乗ったことがある。男性車両は乗車率がずっと高くてラッシュ時はかなり乗り降りも過酷だ。降りなければいけない駅が近づいてもドア付近に移動する事ができなくて参ったなーと思っていたら、まわりのおっちゃんたちが「どこの駅で降りるんだ?」と聞いて来て、駅が近づいた時点で「通してやれ!」と助けてくれたことがある。何も知らないで男性車両に乗ってしまった外国人と思われたのか「悪い奴もいるから女の人は1人で男性車両には乗っちゃだめだよ。鞄も気をつけて前にして持ってないとだめだよ」とヒンディ語でいろいろと教えてくれた。

もちろんスリとかもいるんだろうし、ファーストクラスでもエアコンが付いているわけでもないし、日曜日はストライキがあって時間通りに電車が来なかったりするし、ドアが開きっぱなしで危なかったり、毎日何人もの人が電車から落ちて亡くなったりと、マイナスポイントもたくさんあるわけだが、ムンバイの電車はムンバイの人々の親切心が垣間見えることもたくさんある。何よりも渋滞がひどい街なので、なんだかんだ電車の方が便利でさえあったりする。外国人はあまり車内で見かける事はないけれど、ディープムンバイを体験してみたい人は、ぜひ臆せずトライしていただきたい。

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