週後半から喉に痛み。気づけばインド人も含め、ばったばったと周りの人々が風邪でダウン。インド人は風邪を引いたというと、だいたい「Oh, Climate change na!」という。まあ、たしかに天候が変わったのはあるかもしれないけど、日本ほどしっかり季節が別れていないのであまり認めたくないのだが、とりあえず「そうかもね、雨期に入ったしね」と言っておく。実際の原因は、めちゃくちゃ暑い外の気温と、エアコンがんがんのオフィス内との温度差だと思っている。
さて、約一年ぶりくらいに風邪を引いたと自覚するくらいの頭痛と熱、食欲の減退という症状。というわけで、仕事の帰り際、近所の薬局へ寄った。「風邪に効く薬ちょうだい。特に熱。」といったら、お店のあんちゃんがちょっと考えて奥へ消えて行った。すると、Calrol Tabletという直径2センチくらいのタブレットを持って来て、「15ルピーだ」という。家に帰って、この巨大タブレットを早速飲んでみたが、まったく体のだるさが取れない。翌日もオフィスでだるさを抱えたまま仕事をする。その日は月一回のプレゼンがあったのだが、結構意識がフワフワしていて何を言ったのかよく覚えていない。そのわりに、上司に「いつものプレゼンよりずっとよかったよ!」と褒められたので、お酒に酔うと緊張が解けて多弁になるのと同じ作用かしらと、ひとつ発見をしてみる。
それはさておき、いつもはインドの薬は恐ろしい程よく効くので何かおかしいなと思ってよく薬を見てみると、Paracetamol Tabletsと書いてある。パラセタモールって痛み止めじゃないか?と気づいて、自分の症状には当てはまらない薬だったということが判明。その日も帰り際に別の薬局にいって、「風邪薬ちょうだい。特に熱に効くやつ」と言ったら、今度は見覚えのある直径1.5センチくらいのNOCOLD PLUSというタブレットが出て来た。こちらは飲んでから数時間して体のだるさがかなり楽になった。
インドの薬は効く。効きすぎて結構怖いのだが、日本の薬はほとんど効かないということはすでに学んでいた。体調を崩すと、渡航前に予防接種を受けたとき、海外感染症に詳しいドクターが、「インドにいくからって正露丸持って行く人たくさんいるんだけど、あんなの飴玉と同じだよ。気休めにしかならないよ」とケラケラと笑いながら言っていたのを思い出す。経験上、インドの風邪は、普通の風邪でも軽く40度の熱が出る。そしてだいたいみんなすぐに治らない。なぜかといえば、飴玉認定の出ている日本の薬を飲み続けているから。単純な風邪ではなく、それが食べ物から来ている場合お腹も壊すし、下手をすると脱水症状を起こすので、冗談抜きにいつまでも日本の薬に頼っているとかなり苦しい思いをすることになる。
早く回復したかったらインドのでっかいタブレット薬を素直に飲んでみることをオススメする。ちなみにインドの風邪薬は日本の風邪薬のように眠くなる事はないので、「効きすぎる」という一抹の不安を別にすれば、この点も大きなメリットだ。日本人のみなさん、騙されたと思ってお試しあれ。