一ヶ月程前に、NTTドコモがインド携帯電話市場から撤退したというニュースがあった。インドの通信事業者のTTSL (Tata teleservice Limited) の業績伸び悩みが原因だったらしい。
タタはスターバックスのインド進出にも関わったことで日本でも有名かと思われるが、ムンバイを拠点とするインドの三大財閥のひとつだ。
さて、そのタタ財閥事業のひとつであるTata Docomoが、最近、WifiデバイスのTata Photon Maxの販売を開始した。住んでいたアパートのオーナーが有線LANの設定工事を認めてくれなかったため、去年の数ヶ月間、Tata Photonを使っていたが、スピードが遅くて動画は満足に観られないし、Unlimitedのデータ通信量を唱っていたくせに、ある一定の通信量を超えると、次の月までデータ通信速度が遅くなる仕組みになっていたりと、いろいろ不満があった。個人的に、店員の対応もカスタマーサービスもひどかったのだが、いろいろあって、Tata Photonから同企業の有線LANに切り替えた。一ヶ月1999ルピーで、こちらは本当に通信制限がないので、数ヶ月は問題なく使用していたが、接続ができなることがちょくちょく生じるようになっていった。
先週、後払いプランの滞納をすっぽかしていたため、ついに接続を止められてしまったのだが、支払いを済ませれば2時間で利用できるようにしてくれるというので、ショップで支払いをすませた。しかしその翌日もアクセスポイントの接続ステータスは赤で、つまり使用不可のままだったため、2日後に再び店を訪れると、接続はどうやらテクニカルな問題が原因だったらしく、来週エンジニアを派遣するという話になった。
購入から3時間後くらいに携帯電話にActivateが完了しましたというSMSが届いて、使ってみたところ、たしかに、以前のTata Photonよりも通信速度はかなりマシになっている。しかもインド国内どこででも利用可能で、電源に直接差し込めばアクセスポイントになって、最大5つのデバイスを接続できる。悪くない。
以前、Tata Docomoの顧客対応が悪すぎるとインド人のボスに話したところ、インドの財閥企業は顧客サービスの向上に力を入れない、と、きっぱり言われたことがあったが、技術的には目に見えるカタチでレベルが上がっているようだ。日本のインターネットは速度は速いが、公衆モビリティという意味ではインドには劣る。おそらくインドに比べて、日本はセキュリティ問題にかなり敏感なので、その点が公衆で使える無線LANの普及を遅らせているかもしれない。携帯電話の番号がどこにでも出回ってしまうインドでは、日本よりフットワークが軽いのかもしれない。あとは単純に建物の設計が問題で、LANを引けないという事情があるのも、日本とは大きな違いである。いろいろと日本とは事情が異なるため、出て来る商品もひと味違っていて面白い。今後もインドのインターネットに関する新製品は、個人的にいろいろ試していきたいと思う。