ヒンディ映画 Queen

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日本ではあまり馴染みの無いWomen’s Dayに公開となったQueenという映画が、ともかく最高に面白い。今までいくつもヒンディ映画を観てきたが、今回の作品はズバ抜けて面白かった。

熱烈なアプローチを受けて結婚が決まった花嫁は、式の寸前、婚約者に婚約破棄を言い渡される。ハネムーンとして予定されていた行き先はパリとアムステルダム。彼女は単身で初めての海外へと旅立つ。パリではホテルの従業員をしながらシングルマザーとして子供を育て、それでもパーティーを楽しむ事を忘れない女性と親しくなり、その後、アムステルダムではユースホテルのドミトリーで、ロシア、フランス、日本人の男性とルームシェアをしながら、彼らと飾り窓や、ロックライブへと出かける。最初はパリのエッフェル塔に恐怖を覚え、道路も渡れず、男性と部屋をシェアするなどもってのほかと考えていた彼女だが、だんだんとインドの生まれ故郷にはなかった新しい世界へ馴染み始め、自分の視野を広げて行く。物語の最後はとても清々しい。

さすが、Women’s Dayの公開映画だけあって、インド人女性への強烈なメッセージを感じた。結婚や、男性に支配されず、自分の足で外の世界へ出て行くことが可能になりつつある世代。今、インドのミドルアッパー層は古い風習に別れを告げる過渡期にある。だからこそ、こういう映画が作られるのもうなずける。

バックパッカーとしてドミトリー生活を経験したことのある自分からしても、アムステルダムでのシーンは非常にリアルで、とてもよくできていると思った。そして保守的な家庭に育った20代のインド人女性が、そういう環境に放り込まれたらどうなるか、という想像力も抜群で、映画館ではたびたび観客の笑い声が響いた。インド映画は後半になるとストーリーがグダグダになって退屈してしまうのだが、Queenはエンドロールまで観客を飽きさせないしっかりとした構成になっている。エンターテイメントとしては最高レベルと言って良いと思う。ぜひ日本でも公開して欲しい。

<映画メイキング>

 

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