もう、いらないもの。

オフィスに転がっていた「ムンバイなう。」というインド紀行に「インドにいて、もういらないもの。刺激」という一文があった。日本に居るとハプニングなどほとんど起こらないが、インドは毎日何かがある。刺激という言葉はどちらかというとポジティブな意味合いが強そうなので、ネガティブな意味合いでの予想外の出来事も多いことを考えると100パーセント共感できるわけではないが、言いたい事はよくわかる。ともかく、何もかも思い通りには行かない。

例えば、購入した冷蔵庫の配達は翌週末の午後ですと言われて、「時間は?」と聞いても「午後です」という返事しかない。配達はたしかにあっても設定はそのさらに数日後だったということが運ばれてきた当日に分かるというトラップ。デビットカードの再発行をお願いして、やっとカードが自宅に宅配されたと思ったら、「ATMのPINコードは追って別便で配達します」というお手紙入りで、銀行本店に電話をかけたらもう発送済みという連絡。ついに1週間を迎え、銀行に踏み込むと「まだ発行されていませんね、手続きしますね」と、当然のように言われ、発行後にATMでお金を引き出そうとしてもPINコードのエラーで引き出せないというエンドレスな苦悩。会社で使っているWiFiの接続が遅く、ITチームに電話しても、まず一回では対応してもらえない。二回以上電話して、やっと来たと思うと、「動いてるじゃん」と一言行って去って行こうとする。「動いているからいいんじゃなくて、遅いからなんとかしてって言ったの」というと、おもむろにラップトップを持ち上げて、ルーターの側へ近づき、「ここなら若干アクセス早いよ」といってさわやかに笑顔で去って行く奴。外国人登録所が翌日休館でないかどうかを会社のHRに確認してくれと頼んでも、「チェックしているよ」という返事があって40分報告なしで、さらにプッシュしてみると、「電話してみたけど繋がらなかった」という報告。疑心暗鬼で自分で調べて電話してみたら3回のベルで職員が出て、「明日はおやすみです」という案内。一体どこに電話したのかとHRに問いただしても、「わからない。電話したのは私じゃなくて○○さんだから」という脱力を免れない回答。
ともかく何もかもがいい加減。
(うちの会社では納期が指定されるサービスを提供しているが、それを守ろうとするインド人たちを見ると彼らが奇跡のようにみえる)
旅行者がちょろっとインドにやってきて「インドはルーズだからねぇ」といって通り過ぎて行くのとは訳が違う。ともかくこういうことは毎日毎日発生する。毎日毎日戦えればいいのだが、もうだんだんどうでもよくなってくる。エネルギーを使う事、ストレスに感じることがバカらしい。わかっていてもイライラしてしまうあたり、自分はしっかり日本人だなぁと思う。以前、インド人の同僚が、社内の他の部署との難しい交渉をするときに、わたしのボスにどうやって交渉すればいいのかアドバイスを求めていた。ボスはいった。「自分の手元に決定権のあるもので、彼らが欲しくてたまらないものを引き合いに出せ。言う事を聞かないならこちらも差し出す気はないと言え」と。まさに、自分の手のうちに引き合いに出せるものがないと事は進まないのだ。インド人と交渉できたらビジネスは誰とでもできるとは、よく言ったものである。
しかし最近こういう陥りたくない状況が非常に多く、かなり疲弊している。どうしてこうもルーズな国が生まれるに至ったのか。誰かに本気で研究していただきたい。

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