ムンバイのサリー事情

ディワリが近づいている。街の雰囲気がソワソワしているように感じる。特に女性たちは新しいサリーの準備に忙しそうだ。今年のディワリは11月13日。

ムンバイの最南端にあるワールドトレードセンターで行われていたサリーの展覧会へ行った。そこで毎年新しいサリーを調達しているインド人の女の子に同行して貰った。彼女はサリーについては詳しいらしく、いろいろなことを教えてくれた。まず「ショッピングモールで売っているサリーはデザイナーズサリーで布の質も悪い。そして高い」というのが、常識らしい。本物のシルクかどうかは、普段からサリー選びに慣れている人でなければ分からないそうだ。オフィスの20代の女の子たちも、お母さんはわかるけど私にはわからない、という。

会場には、インドの各地域のサリーがブースに並べられ、値札は無しで売られていた。バラナシのサリーはギラギラ、マハラシュトラ州のサリーはクジャクの文様入り、刺繍のような古風なデザインがカシミール、アッサムのサリーは二部構成になっている、などなど、分かる人には一目でどの地域のサリーか判別がつくらしい。私は伝統的なサリーが欲しくて、気に入ったサリーを手に取ったら、それはバンガロールのシルクを使ってコルカタで作られたものだった。通常のサリーは二色がベースであるらしく、私の買ったサリーは赤のベースに白の刺繍がはいったまさに古典的な一品。質の割には値段が安く、5000ルピー(7500円ほど)であった。

さて、サリーが手に入ったら、そこからまたやるべき事がある。サリーは一枚の横長の布なのだが、その一部は中に着るブラウスのための生地になっている。つまり、サリーを買った段階では完成していないのである。仕立て屋に持って行って、ブラウスを作ってもらい、さらに裾の部分をほつれないように加工してもらう、などなどの作業が必要になる。ディワリの前、仕立て屋はどこも忙しい。運良く、会社の人に紹介してもらっていったお店では、10日で仕上がるという事だったが、この時期になると2週間くらいかかるらしい。ブラウスのデザインを選んで、サイズを測って貰う。11月7日の受け取りとなった。

ムンバイで日常的にサリーを着る人は、中流層以下の人々だ。ミドルアッパークラス以上の人々は、特別な行事が無い限りはサリーは着ない。結婚後、親族間の行事が増えると同時にサリーを着る機会が増えるため、女性の多くは結婚後に始めて真面目にサリーの着付けを覚えるらしい。もちろん、未婚の女性の中にも、ベーシックな着方はできるという人もいるが、だいたいは母親に手伝って貰っているようだ。どんどん新しい文化が国外から入ってきて、ファッションの常識も変わってきている。サリーはムンバイの文化事情を図る指針のようなものかもしれない。

3件のコメント

  1. とても興味深く拝読しました。こちらに来て最初に思っていたのは、予想以上に都市部でもサリーが多く、外来の文化を好む人達の間でも着続けられているようでとても好ましいなと思っていたところでしたが、アッパー層や若い人達はやはり着なくなってきているんですね。
    和服よりも西洋文化と調和する気がするし、かっこいいので(勝手な要望ですが)できれば着続けてほしいです。

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  2. 結婚すれば日常的にとは言わないまでも、親族の集まりで着る機会が増えるという意味では、日本の着物文化よりまだマシかもしれないですね。日本人も和服を着るようになればインド人もサリーをもっと着るようになるかも?

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